2019年4月4日発売のONE PIECE図鑑「VIVRE CARD パンクハザードの脅威!!」のちょっとした感想です。 

 ネタバレに配慮していないので、自分で買ってから見る事を推奨します。
 




 
「パンクハザードの脅威!!」は、その名の通りパンクハザード編に登場したキャラクターのカードを中心に収録したパック。

 こちらはシャンディア達のパックと違い、収録内容予想を行うタイミングを逃してしまっていました。なので、普通に収録内容の紹介から。
 
 今回の収録カードは、以下の16枚。


0113 ブランニュー
0655 チャドロス・ヒゲリゲス(茶ひげ)
0781 海軍“偉大なる航路”第5支部
0783 ドラゴン十三號
0786 モチャ
0796 モネ
0797 シーザー・クラウン
0798 ロック&スコッチ
0803 スマイリー
0804 ヴェルゴ
0805 錦えもん
0810 光月モモの助
0812 ベビー5
0813 バッファロー
SKILL0518 オペオペの実 Vol.1
EX CHARACTERS “頂上戦争”編 Vol.5
 
 何やら聞きなれない名前のキャラクターもいると思うが、それに関しては個別感想にて。


 パンクハザード編は何気に主要な新登場キャラクターが少なめだった影響か、まあ中々に16枚の枠を生めるのに苦戦したんだろうなぁという印象が付きまとうカードチョイスになっている。
 ロック&スコッチなんかは、普段だったらEX送りでもおかしくなかったな……。出番がパンクハザード編で良かったね。

 一覧を見ると、何やらブランニュー准将が浮きまくっている様にも見えるが、彼がこのパックに収録されたのはドレスローザ到着直前の七武海についての会議を行っているシーンがパンクハザード編として見なされた為。
 他にブランニューを詰めこめそうなパックも無かった為、滑り込みで封入された感じだ。たぶん、ブランニュー自身も疎外感を感じている事だろう。


 また今回は、以前「ONEPIECE magazine Vol.4」の付録として収録された、ローのスキルカードも再収録された。
 元々、マガジンに入っていたものは「先行収録」という形で、のちのブースターに同様のカードが収録される事は明記されていたのだが、結構間が空いた感じね。

 正直、マガジンの方を購入して先行収録分を持っている身からすればダブりになってしまう……のだが、両方のカードを見比べて見ると、何やら「ROOM」に関する記述に変更がある事に気付いた。

 この時、2枚とも冊子から切り離した状態で見比べていた為にどっちが当ブースターに収録されていた方だか分からなくなってしまうというミスをやらかしたんだが、片方では「生成したドーム型の空間内で様々な技が使用可能になるよ」という旨の内容だけが書かれていたのだが、もう1枚の方ではテキスト量が盛られ「まさに無敵の力を得るが、能力を使用中は著しく体力を奪われる。」という文章が追加されていた。

 その他、各技の紹介文を見比べてみると、全体的にテキストの調整が入っている事が分かる。
 そこまで大きな変更はないが、コレクター気質の人は少し注意した方がいいかもしれない。



 以下、収録されたカードに記載された内容についての、簡単な感想です。
 全部のカードに触れるワケではなく、気になった所だけ掻い摘んで触っていきます。



【ブランニュー】
 年齢:56歳


 56歳!?
 結構いってんね!?

 イッショウ(54歳)やサカズキ(55歳)よりも年長さんだったのか……。その年齢じゃ、微妙に前頭部が禿げ上がってきてるのも致し方なしって感じだ。

 しかしこの方、会議のたびに議長的なポジションで喋ってるんでお偉いさんな印象になりやすいんだけど、2年前時点じゃまだ少佐なんですよね。
 スモーカーやヒナなんかの天才達を例外としても、たしぎでさえ23歳にして大佐にまで上り詰めている事を考えると、(主要な海兵達に比べれば)割と遅咲きの将校である様な気はする。

 ……が、54歳時点で少佐の座についていた彼は、その後2年間のうちに3階級もの昇進を果たし、新世界編では准将の座にまで上り詰めている。

 一体彼に何があったのか……というより、彼を取り巻く環境に変化があったのか。
 この2年間に起きた大きな変化と言えば、海軍本部自体の体制の変化。白ひげの死によってより凶暴化した海賊達と戦うべく、海軍本部は新世界へと居を移した。つまり、海賊達に対してより積極的な攻撃を仕掛ける姿勢を見せて行ったという事になる。

 しかし、VIVRE CARD内にも書かれている様に、ブランニューの任されている務めはどちらかと言えば、軍事面よりも内政面
 そして新体制を取った海軍本部が求めるものは、守りに入った内政能力よりも、海賊と直接やり合うための軍事能力だろう。彼も前線に立つ事は勿論あるが、普段内政を中心に働いている人間が、戦闘面で突然3階級もの昇進に値するほどの武功を挙げられたとは、中々思えない。


 ならば、何故この初老の少佐さんは、今になって准将にまでのし上がる事が出来たのか。
 これはもう、単純にセンゴク体制の海軍との相性が良くなかったんじゃないかと思う。

 ブランニューのカードのエッセンスに書かれた記載によれば、彼はセンゴク・サカズキ両名からの信頼を得ていたとされる。
 しかし、2年前の元帥であったセンゴクは「知将」と呼ばれる人物。頂上戦争でもスクアードを利用した撹乱作戦が猛威を振るった様に、頭脳労働の面において、軍内にセンゴクを越える者はいなかっただろう。
 当然、センゴクがいくら優秀とはいえ全ての政務を1人で仕切る事など不可能。彼自身も、内政面において優秀な人材であるブランニューを冷遇していたワケではないだろう。しかし、センゴクという圧倒的な主柱を前に、頭脳面に秀でた海兵というのはどうしても目立たない存在になりがちだったんじゃないだろうか。それが、ブランニューがセンゴク体制で中々昇進できなかった原因なのだ。

 一方、新たに海軍本部元帥へ就任したサカズキは、これはもう分かりやすい程の軍事側の人間だった。2年経った今では内政面に翻弄されている事も多いが、就任直後には海軍本部の位置を移したり、世界徴兵で戦力を増加させてみたりと、軍事面でかなりの改革を続けていた事が分かる。
 そんなサカズキ体制にとって必要なのは、彼の働きを内側からサポートする内務官だった。そのため、内政面での情報処理能力に長けるブランニューに、再び脚光が当たったんじゃないだろうか。

 軍事面に力を入れるサカズキに対し、それをブランニューの様な頭脳班が内政面でサポートする。その構図が生まれたからこそ、彼は56歳にして3階級もの昇進を果たす事ができたのだ。

 後は、政府の3大機関すべてで大暴れをしたルフィに、初頭の手配から異例の金額を設定していた目利きの良さも、再評価の一端となったのかもしれない。
 うん、9割方の妄想文とはいえ、ブランニューさんについて1500文字近くも使って喋ったの、ワシ初めての経験だよ。



【茶ひげ】
 本名:チャドロス・ヒゲリゲス


 パッと見「誰やねん」となりそうな名前だが、これが海賊茶ひげの本名。

 チャドロス・ヒゲリゲス。略してチャヒゲ。
 きっと若い頃、「チャドロス? ヒゲリゲス? けっ! これからてめーをチャヒゲ! 茶ひげって呼んでやるぜ!」的なやり取りがあったんだろう。ヒゲの三つ編みをバカにされるとプッツンするに違いない。


 本名のついでに、白ひげの御逝去時に彼が襲った町がフードヴァルテンという名である事も判明。
 ヴァルテンという言葉に何か意味はあるのかなーとググッたところ、パズドラのモンスターしか出て来なかったので調査は打ち切りとなりました。たぶん、神話か何かに出てくるワードが元ネタなのかな?



【海軍“偉大なる航路”第5支部】

 いわゆるG-5支部。

 ……って、キャラクターじゃねぇじゃねーか!というツッコミがどうしても付き纏ってしまう謎のカード。

 このカードが入ると知った時はてっきり、「G-5所属のモブ海兵達を、名前つきでずらーっと羅列してくれるのかな?」と思ったのだが、現実はスモーカー、たしぎ、ヴェルゴと単独でもカード枠を貰えた奴らが再度顔見せに来ただけという謎っぷりだった。
 特にヴェルゴはこのパンクハザード編のパックに収録されているカードのため、1つのブースターに2回も登場している事になる。

 唯一、ヤリスギ准将は単独でのカード枠をもらえていないので、このカードが初登場。
 ……なのだが、名前とイラストが描かれるだけでプロフィールを記載して貰えているワケではないので、特に有難みはなし。
 素直にヤリスギ単独のカードにしても良かった気がするなぁ。

 このカードが今回収録されたのは、まあぶっちゃけ16枚の枠をどうしても埋めきれなかったという事情があるんだろうが、こういうカードが出たという事は、今後1つの組織を1枚のカードに纏めたものも出てくる可能性があるという事なのかな。


 一応、カードに書かれたプロフィールの内容を確認しておくと、

・構成部隊
・構成人数
・結成日
・所在地
・基地長
・所有軍艦
・支部の気風

 といった情報が記載されている。
 特に、ヴェルゴ離脱後の基地長がスモーカーとなっているのは初出しの情報かな。
 
 今後もし海賊団や組織のカードが出る事があるなら、構成人数なんかが判明するのは嬉しいかも。
 クリーク海賊団やバロックワークス、ドンキホーテ海賊団辺りの構成人数は分かっているけど、ほとんどの海賊団は何人ぐらいの規模なのか、明確には分かってなかったからね。



【ドラゴン十三號じゅうさんごう

 ルフィ達に食われてしまった、パンクハザードのドラゴン……の、個体名。
 本編でも茶ひげが「天竜人の付けた名前がある」と語っていたものの、茶ひげさん本人が忘れてしまっていたため明かされず仕舞いだった。それが、VIVRE CARDにて初公開。

 しかしまあ、言っちゃなんだけど天竜人さん、あんまりネーミングセンスないですね。
 13回目の実験でようやく成功し、誕生したドラゴンだから十三號らしい。潔いまでに安直な由来。

 まあ、天竜人にセンスを期待する方が間違ってる気もするので、ある意味らしいっちゃらしい。


 
【ロック&スコッチ】
 身長:4250cm
 種族:謎の巨人族


 ONEPIECEの物語中でも屈指の「お前ら一体何だったんだ」感を誇る2人組だが、その身長はなんと脅威の40メートル超え。
 巨人族の最低身長が12メートルとされている事を考えると、これはかなりの巨体であると言える。

 VIVRE CARD内ではその種族が「謎の巨人族」となっており、明確にされる事はなかったが、こう書かれている以上は巨人族の血を引く存在である事は間違いないんだろう。
 世界政府は以前から「人体の巨大化」の研究を進めていたと言うが、彼らを雇ったシーザー自身が「子供の成長を異常促進させる」という手段でしか巨大化を実現できていなかった事を考えると、あまり関係はなさそう。

 単にオーズの様な異常な体格で生まれて来た巨人という事なのかもしれないが、それだと今度はあの体毛に覆われた身体に説明がつかなくなる。
 「ミンク族と巨人族のハーフなのかな?」と思いたくもなるが、巨人と魚人のハーフであるビッグパンが(目算だが)普通の巨人よりも小さめに書かれていたりもした事を考えると、この2人の体格は異常。

 一体どんな事情があれば、この様な巨体に生まれて来るのか……。
 そして、そんな重要そうな謎を誇る人物が、劇中で顔も明かされぬままに散って行ったという事実。笑っちゃうよね。

 あ、劇中でもあんまり強そうではなかったけど、懸賞金は2人合わせて4000万ベリーとやっぱりあまり高くなかったみたいです。
 何の勝算があって、8006万の首である茶ひげを倒した連中に彼らを当てたのか。そこが分からない。



【錦えもん】
 年齢:36歳
 能力:フクフクの実


 地味に年齢の分かっていなかった錦えもんさんだが、その実年齢は36歳と意外に若かった。
 彼よりも20年多く年を重ねている事になる妻の鶴さんは、20年前が16歳以上ならば錦えもんを追い越してしまったという事になる。ちょっと可哀想かもしれない。

 そして地味に、「フクフクの術」とのみ言われていた彼の能力が「フクフクの実」であると正式に確定。ついでに「“トキトキ”の能力」と言われていたトキの能力が「トキトキの実」である事も、ヒストリー欄にて確定。
 まあ、悪魔の実以外の何なんだって話だったけど、一応ね。



【モモの助】
 能力:人造悪魔の実
(SMILE)


 これは……良いのか?

 確かに明確に語られていない部分ではあるんだが、自分の中では「SMILE=シーザー製の人造悪魔の実」という認識で、ベガパンク製の実は別物という認識だったのだけどなー。
 
 モモの助の能力は、百獣海賊団が使うシーザー製のSMILE能力とは明らかに特徴が違って、動物の特徴が部分的にしか現れない(しかもほとんどの場合、能力の解除もできない)SMILEに対し、モモの助はコントロールこそできないものの、通常の動物系悪魔の実と遜色ないほどの変身能力を有している。
 それを考えると、両者の作った人造悪魔の実に、同じ「SMILE」の名を与えるのは少々乱暴な気がする。SMILEって名前自体、ドフラミンゴのスマイルマークから来てるんだろうし。

 もしかしたら「性能が違うだけで名称は同じ」なのかもしれないけれど、今のところは「VIVRE CARD制作側の勘違い」なのかなぁと思わざるをえないかなぁ。


 あと、何気にモモの助、見聞色の覇気使えるんですね。
 まあ多分、アイサみたいな天然の素質によるもので、上手くコントロールできる領域ではないんだろうけど。
 ゾウで見せた父親譲りのあの能力、やっぱ見聞色と関係があるのかなぁ。



【ベビー5】
 【バッファロー】

 
 バロックワークスの面々の本名が明かされた事で、同じくコードネームである事が確定している彼らの本名も明らかにならないかなぁと期待していたのだけれど、残念ながら本名の記載は無し。

 バッファローはともかく、ベビー5に関してはもういい加減本名に戻してあげなよ感があるので、設定して欲しかったなぁ。
 サイの妻として再び登場した時に、本名で紹介されたりするのかしら。



【EX】
 パンクータ・ダケヤン
 ジャン・ゴエン
 アン・ゼンガイーナ


 この3名のインペルダウン囚人は、今回初めて名前が明かされた感じでしたっけね。

 パンクータ・ダケヤンは牢獄のボスにメシを献上しなかった事で目を付けられ、騒ぎを起こした結果ミノタウロスの処罰を受けた男。

 解説文には「罰として獄卒獣と同じ檻に入れられてしまった」とあるんだが……第525話を見た感じではむしろ「獄卒獣の手でLEVEL5の檻に入れられた」という描写だし、檻の中にいるのはどう見ても獄卒獣には見えない巨人の様な男だった。

 アレ、獄卒獣だったのか……?
 まあ獄卒獣の人間形態は一度も描かれていないし、あの男が変身した姿が獄卒獣という事なのかな。
 同じ檻に入れられた彼らの悲鳴を見るに、人間形態でも理性はまったく残っていないらしい。動物系の能力が覚醒すると、皆ああなってしまうんやろか。


 ジャン・ゴエンは、526話でエースを救いに行くというルフィに対し「ムリムリ!!」と言い捨て、牢屋の鍵を盗んでくる様に頼んでいた男。 
 苗字がジャン・アンゴと被っているが、なんか関係あるんだろか。他2人がノリで付けられた様な名前なのに対して、この人だけ普通の名前なのよね。


 アン・ゼンガイーナは、528話でルフィがバシリスクを倒した際、一度は檻から抜け出そうとするもスフィンクスの存在にビビって檻の中に引っ込んでしまったハゲ。
 こちらは、今度の映画「スタンピード」にも登場する歌姫アンと名前が被っている。

 彼の登場により、ルージュが生んだ子が女ならつけられる予定だった名前に加え、アニメ化が決定した読み切り作「ROMANCE DAWN」のヒロイン、そしてこのアン・ゼンガイーナさんと、ONEPIECE界における4大アンが誕生する事となったワケだ。
 そしてその4人で人気投票を行った場合、間違いなく最下位になるのは彼だ。




 以上、「パンクハザードの脅威!!」感想でした。
 次は5月発売の「世界一の船大工!ガレーラカンパニー!!」「恐怖の支配者!ドンキホーテファミリー!!」を楽しみに待ちましょう。