2019年7月4日発売のONE PIECE図鑑「悪夢!スリラーバークの怪人達!!」の感想です。 

ネタバレに配慮していないので、自分で買ってから見る事を推奨します。






今回はスリラーバーク編の人物を中心としたパック。

 VIVRE CARDにおいては、前期・後期の境目がシャボンディ諸島編になっていた為、今回のパックにて超新星編(2年前編)の全パックが発売を完了した事になる。

来月発売されるWCI編を基にした2パックをもって、当初の予定であった1年分の刊行スケジュールも完遂。
ワノ国編以降のセットが発売される事になるのかは未だ未定だが……来月頃には、何か新情報が来てるかな?







まずは収録内容の紹介と、事前の収録予想との照らし合わせから。
(なんかlivedoorブログに、リッチリンクとかいう謎の新機能が追加されてたので使ってみた。邪魔そうだったらやめる。)


事前に予想していた収録内容は、以下の通り。
この15枚に、EXカードを1枚加えた16枚が封入されると予想していた。

モリア/オーズ/ペローナ・クマシー/ホグバック/シンドリー/アブサロム/ローラ/ブルック
リューマ/タララン/ジゴロウ&犬ッペ/くま/ヨーキ/天候術(技)/ウソップ戦法(技)


対して、実際に収録された16枚はこちら。

0009 ブルック(age88)
0267 バーソロミュー・くま
0462 シンドリー
0463 ホグバック
0472 アブサロム
0473 ペローナ
0475 リューマ
0477 シャーロット・ローラ
0480 ジゴロウ
0483 ゲッコー・モリア
0484 オーズ
0564 ハレダス
0567 ヘラクレス
0660 ポルシェーミ
0661 ブルージャム
EX CHARACTERS “アラバスタ”編 Vol.5
(左側の数字はカードのナンバー。)


予想内容のうち、モリア、オーズ、ペローナ、ホグバック、アブサロム、シンドリー、ローラ、ブルックの8枚は事前の告知があったため、それを除くと正解率は7枚中3枚半ひっでぇ数字だ。

ジゴロウと一緒のカードにでも入れておいてくれないかな、と思ってた犬ッペは影も形もありませんでした。サンジは泣いていい。



しかし、これには物言いがある。

だってコレ後半の4枚スリラーバーク全然関係ないやないか!


いや、ハレダスやヘラクレスがどこかのパックに入るのは分かってたんですよ。
不自然な空白のナンバーがあって、原作の流れと照らし合わせればこの2人が当てはまるのは明らかだったから。

けどまさかスリラーバーク編のセットに入るとはなぁ。
てっきり第3弾のスターターにでも入れるつもりなのかと思ってたよ。
まあ、ブルージャム一味がEX送りにならなかったのは嬉しいのだけれども。


3D2Yやコルボ山編のキャラが入ったシワ寄せと言うべきか、カードの枠が圧迫された結果ルンバ―海賊団のヨーキ船長が締め出されてしまった。

う、うーむ……ブルックやラブーン、クロッカス等関係者も多いし、原作内で手配書が描かれたにも関わらず金額が不明だった人物でもあるので新情報に期待していたんだが……。
ってか優先度でヨーキに打ち勝ったジゴロウさん凄ェな。


しかし……先ほども書いた通り来月で当初から予定されていた1年分のセットが出尽くすワケだが、キルカードは本当にほとんど出なかったな……。
まさか麦わらの一味のカードさえ揃わないとは。

EXカードも未だにアラバスタ編までしか到達していないのだが、これは今後揃う事はあるのかな……?



以下、収録されたカードに記載された内容についての、簡単な感想です。
気になった箇所だけ掻い摘んで紹介。





■【バーソロミュー・くま】

七武海の1人であるくまが、かつて国王を務めたというソルベ王国だが、南の海に存在する国らしい。

そしてボニーの出身地も、同じ南の海。これはもうボニーもソルベ王国の出身者だと考えて良さそうかな。
老いただけでコニー王大后そっくりになったり、ボニーのカードに書かれた設定画の中には「ベガパンクに父を元通りにさせる」なんて記述もあったりしたのも、そういう事なんだろう。


エッセンスの項目を見ると、彼の立場の順序としては
『暴君』の異名を取る→革命軍加入→七武海加入
と言った流れらしい。


しかし改めて考えると、元々は世界政府加盟国の王であった男が、世界政府と戦う革命軍の幹部に転身するという人生は面白い。

加盟国の王として政府の暗部を見てしまったのか、あるいは彼が王座を離れた後にソルベ王国が世界政府に加盟したのか。


『暴君』と呼ばれるようになったのは「海賊として残虐の限りを尽くした」後らしいので、国を離れたあと海賊となり、そのまま海賊を辞める事なく革命軍にも加入したという事になる。
けれど元国王という経歴を考えると、海賊となったのが自分の意思だとはあまり思えないかなぁ……。

国王であった時に天竜人の気に障る何かをしでかし、世界政府の介入によって王座を奪われ、結果として海賊に身を落としたって所だろうか。
その流れでドラゴンと出会い、革命軍に加入すると。


天竜人にケンカを売ったにも関わらず七武海に加入できたのは……実験体として政府とコンタクトを取るのに、ただの海賊では政府にとっても都合が悪かったからかな。



■【ビクトリア・シンドリー】好物

リューマやジゴロウ、オーズの例を見てみると、モリアが作ったゾンビ達の好物は、性格などと同様に肉体の持ち主ではなく入れられた影のものが反映される事になるらしい。

かつ、ゾンビ達は「塩を食べると浄化されてしまう」という難点こそあるが、食事そのものは問題なく行う事ができる。
オーズはルフィゆずりの食欲でバクバクと肉を食べていたし、食い意地をはって魚の塩焼きを食べたゾンビが浄化されてしまったりもしていた。


そこへ行くと、シンドリーの好物はマルゲリータピザ。
そして彼女の影の持ち主の名はマルガリータ


……はい、ダジャレですね。
クロコダイルがワニ肉好いてるのと似た様なもんですね。


地味にボニーと好物が被ってるが、まあ別に関連性は無いだろう。


しかし「性格は中に入った影のものが反映される」とは言っても、劇中に登場したマルガリータとシンドリー(ゾンビ)から受ける印象は似ても似つかないなぁ。

マルガリータ自身によれば「改心した」らしいし、シンドリーのサドッ気の高い態度も影を奪った12年前時点でのマルガリータの性格がそのまま継続されていたんだろうが……人って変わるもんだ。



■【ホグバック】好物

IMG_2880 IMG_2881
(ONEPIECE 46巻 449話より)


スープスパゲティ、好きだったんだ……。


だからきっと、最初はシンドリーに作って貰おうとしたんだね。
でも皿嫌いが拗れてるせいで、皿無しスープスパという無理難題が叩き付けられたんだね。

んでスープスパは諦めようとするものの、なまじ1回注文しちゃったせいでシンドリーも果敢に挑戦しようとするワケだね。
でも当然の事ながら、皿も置かずにスープスパゲティなんて出来るワケないから、マトモに食えないんだね。


地味に可哀想に思えて来た。



■【アブサロム】年齢:享年36歳


ア、アブサロムーーーーーッ!!!!!


悪魔の実の能力を奪われた……って所から、そういう事なんだろうとは分かっていたものの、そんなアッサリ……。

ちょっと変態だけど、主人の為に汗水垂らして治療費を稼いでたイイ奴なのに……変態だけど……。

まさか最期に目にする姿が、カップルだらけの店で1人飯してたFILM GOLDの哀しい姿になろうとは……。


頂上戦争編あたりまでは、「回想以外では基本的に人が死なない」という作風だったONEPIECEだけれど、こんな所でアッサリと人死にが出るとはなぁ。
しかも殺害の瞬間すら描かれず、事後報告で。

同時に、これで黒ひげ海賊団が行っている『能力者狩り』は、悪魔の実を奪う為に能力者を殺害する必要があるというのが明確になったと言える。

つまり今後、黒ひげ海賊団のメンバーが過去に登場した悪魔の実の能力を得ていた場合、自動的にその能力者は死亡が確定するって事だね。ひえぇ。


……このままモリアまで餌食になったりしないだろな……カゲカゲの実、兵力を増やす事にかけてはチート級の能力だからな……。



■【リューマ】異名

かつてワノ国において、竜を斬ったという伝説を持つ剣豪……の、肉体を持つゾンビ。
出身地や誕生日などの記述はリューマの肉体のもつ情報となっているが、好物に関してはオーズ達同様、影の持ち主であるブルックのものが反映されている様だ。


現在連載中のワノ国編における重要キャラクターでもあり、一周回ってタイムリーなキャラクターとなって来たリューマさんだが、注目すべきはその異名
『刀神様』という牛鬼丸が言っていた異名と共に、リューマの本名であろう『霜月リューマ』の名が記載されているのだ。


霜月……と言えばワノ国『白舞』の大名、霜月康イエの苗字。
あの康イエが、実はリューマの子孫だった、という事……なんですかね。


姓を同じくする康イエは白舞の大名であったが、リューマの生まれ故郷はワノ国の中でも、『鈴後』の地だったらしい。
リューマが生きていた時代には、まだ霜月家は白舞の大名とはなっていなかったっぽい。


まあONEPIECE magazine vol.6にて特集された資料によれば、リューマが没したのは約400年前。それだけ長い時間があれば、一族が住まう土地にも違いがあって然るべきかな。

このリューマが生きていた『400年前』に、ワノ国が『黄金の国』と呼ばれていた、というのも、空島編辺りを読み返して見るとまた面白い繋がりだが、それはまた別の話。


またリューマのギャラリー欄に載る設定画には、彼が生前使用していた『秋水』だけでなく、現在ゾロが所有者となっている『和道一文字』『三代鬼徹』も名も記載されている。


今のところ、この2本の刀はリューマには無関係……なんだが、何か繋がりがあるのかな?

まあ『鬼徹』を打った天狗山家はワノ国の住人だし、元々『和道一文字』を所持していたコウシロウもワノ国の血を引いている可能性が高そうなので、もしかしたらゾロが持つ3本の刀は全て、リューマと何らかの縁がある刀なのかもしれない。



■【シャーロット・ローラ】懸賞金

彼女の名を改めてフルネームで見ると、「そういやリンリンの血筋なんだよなぁ」という実感が沸いて来る。

しかしそんな彼女ながら、その懸賞金はあまり高くなく、2400万ベリー止まり。
厄介な能力を持つフォクシーと同額だと考えればそれなりな気はするけれど、仮にも新世界出身の海賊船長としては、地味な金額だと思える。
このページに賞金首の一覧を纏めてあるので、参考までに)


この金額の低さは、そもそもローラが「ビッグ・マムの血を引く事」自体が、世界政府に知られていなかったことが一因じゃないかと思う。

頂上戦争において、ルフィやエースが世界的大犯罪者の息子である事が明かされた時の海兵達の反応を見るに、彼らが「血筋」というものに脅威を感じる考え方を持っているのは明らか。

ロジャーやドラゴンに比べればその危険度は劣るかもしれないが、ビッグ・マムの血を引き、かつ1つの勢力として独立を果たした事が知られていれば、ある程度は金額が上乗せされていてもおかしくないと思う。


それでもまあ、ハッキリ言ってスリラーバーク編では「ローラ自身の強さ」というのはほとんど発揮されなかったし、シフォンの例を考えると、肉体的な素質はほとんど一般人の域を出ない様に思える。
単純な力量だけで2400万の額が付いているとすれば、十分な評価かな。

新世界の万国から、「7割が沈没する」と言われる魚人島経由のルートを通って航海して来た、と考えると、航海術に関してはかなり優れたものを持ってそうだけどね。



■【ゲッコー・モリア】ヒストリー


今では王下七武海をクビになり、いち海賊団の船長という立場になったため、カードの背景色も茶色に。これはクロコダイルと同じ扱いだ。


かつて四皇の一角、カイドウと渡り合ったとされるモリアだが、カードのヒストリー欄の記述を見るに、カイドウとの戦いの舞台となったのはワノ国だったらしい。


これが何年前の話なのかは不明。
しかしモリアがリューマの遺体を盗み出したのが、23年前である事は判明している。少なくとも23年前の段階で、モリアはワノ国に入っているのだ。


そしてモリアは、カイドウによって生きた仲間を失った事がきっかけで、不死身のゾンビ兵を使用する様になる。
そう考えると、わざわざ墓荒らしをしてまでリューマの遺体を盗んだのは、カイドウとの戦いに区切りがついた後である可能性が高いと思う。


勿論、カイドウとの敗戦まで一切のゾンビ兵を使っていなかった、とは言い切れない。むしろカゲカゲの能力を持っていたのなら、少なからず戦力の足しにぐらいはしていた可能性は十分にある。

けれど……カイドウ戦の際、すでにリューマの遺体を手に入れていたのなら……使うよね? 温存とかしないよね。
仲間を失いまくった事がトラウマになってるぐらいだから、持てる戦力は全て出し切った上での敗戦だったんだろうし。


それでもカイドウとの戦いにリューマの遺体が使われなかったのであれば、それはカイドウとの戦いが23年前以前の出来事であるからだと思う。

奉行曰く、リューマの遺体と秋水は「海賊騒ぎのドサクサで消えた、との事だったので、この海賊騒ぎというもの自体が、カイドウとモリアの激突を指していたのかもしれない。
ワノ国でカイドウに敗戦し、失意の中でもいずれ再起を図る事を誓い、戦力補強の為に強固な遺体と刀を盗み出したと。


モリアとカイドウの衝突がわざわざワノ国で起きたのは、カイドウが当時からワノ国をナワバリにしていたからであると思われる。
おでんの死は20年前の事だが、その数年前からすでに、ワノ国はカイドウの手に落ちていたのだ。


お鶴さんが「20数年前まで、この国は光月という氏族が治めていた」と言っていたが、これは言葉のアヤ等ではなく、23年前の時点で既にオロチはカイドウと手を組み、かつての将軍だった光月スキヤキに取って代わっていたという事なのかな
そして丁度20年前、おでんが討たれ、オロチは康イエら残った大名に「降るか死ぬか」を問うた、と。


だとすれば、その約3年ほどの間、おでん達はオロチ・カイドウを討つべく戦っていた……という事になるんだろうか。
この数年の時間差の間に、おでんが一体何をしていたのかが気がかりです。



■【ハレダス】出身:空島 ビルカ

え!?
貴方ビルカ出身なの!?


ビルカと言えばエネルや神官達が生まれ育った空島であり、8年前にそのエネルの手によって消滅させられた地。
かつて『月』に栄えたという古代都市の名もまた『ビルカ』なのだが、まあここで言うビルカは空島と明言されているので、前者の方だろう。
ハレダスもその出身だったとは……。


と言っても、ハレダスは67年前、30歳にして人工空島であるウェザリアを完成させている。
直後にウェザリアへと移り住んだものと思われるので、故郷とはいえ、エネル達とは一切の面識もないだろう。


ウェザリア自体が、彼が作り出した人工の空島……というのも初めて書かれた事実な気がするけれど、これはまあ、そこまで意外でもないかな。
いや島1つ作り出しちゃう科学技術は凄まじいんだけど、あまりにも青海とのコンタクトが気軽だったり、スカイピアなんかとは性質が違い過ぎたしね。



■【ポルシェーミ&ブルージャム】懸賞金

物語の順序としては中盤辺りに登場した海賊である為、別段強キャラとして描かれる事もなかった2人だが、船長ブルージャムの懸賞金は1430万と、東の海レベルでは十分すぎる極悪海賊だった。

その部下であるポルシェーミの額も、東の海の平均値である300万を超える金額。部下の立場でコレは凄い。カバジやパールさんなんか、1ベリーもかかってないのに。


意外にも、凄い人達だったんだね。
そして幼少の身でありながら、こんなんと闘って渡り合っていたエースやサボの素質は、やっぱり異常だ。