前回が短めのページ数だったので、1本に纏めました。
物語の核心部分の考察予想は好きじゃないし得意でもないのであんま触れてません。
暇つぶし程度によろしゅう。
以下、ネタバレ注意。



■マザーフレイム
ベガパンクはどうやら、配信映像を撮っている時点でマザーフレイムが持ち出された事に気づいていたらしい。
「何故自分が盗んだ事を知っているのか」とヨークは焦っているけれど、別にベガパンクは配信上で「誰に盗まれた」と特定しているわけではなかった。

普通に考えると、
ルルシアを襲った古代兵器が起動→それを動かせるのはマザーフレイムしかない→誰かが盗みだしたに違いない
という推論なんじゃないかと。
誰が盗んだかまでは分かっていなかったから、それが自分の分身だと知った時は本気で驚いていたと。

……と、思うのだけど、わざわざヨークにこういうセリフを言わせるという事は、この配信映像自体に何らかのトリックがあるんだろうか。
鉄の巨人の中に隠したってだけじゃ、それだけ用心深かったってだけで終わるし。

ベガパンクの性質上、肉体が死んでもその「記憶」はパンクレコーズの中に貯蔵されているから、脳だけが生きて今もしゃべり続けているというのは考えられる。
が、それだと大地震の件が「予言」であるというのが真っ赤な嘘になってしまい、あまりに不誠実。まあ別に科学者が誠実でなきゃいけないなんて決まりはないし、突拍子もない事実を民衆に信じ込ませるための偽装だったと言えば納得はするが、もやっとしたものは残りそう。

結局、電伝虫が隠された鉄の巨人は五老星にぶっ壊され、配信も止まってしまった様だが、「最後に」という文言が出た事からして、ベガパンクの言いたかった事はほとんど言い切っていた様子。
その時点でこの戦いは五老星サイドの敗けに等しいのだが、要はベガパンク自身、世界の謎を完全に解き明かしたわけではなかったので、ネタバレも最小限に留まったんだろう。
でないとルフィ達がラフテルに行って起こる事が「ベガパンクのスピーチ内容の確認作業」で終わっちゃいかねないし、そんな興ざめな事はないので読者的にも一安心。
やはり全ての謎は、ラフテルへ到達し海賊王になった者だけが掴む事ができるんだろう。

ただ、最後に中途半端に「D」の名を出してしまった事で、世界中にいる「D」の名を持つ者たちに、民衆から懐疑的な目が向く可能性はある。
五老星は「誰が世界を海に沈めようとしているか」までは明言していなかったので、下手したらその下手人がDの一族って事にされかねないかも。まあ大半は元々無法者だし、あんま影響ないっちゃないんだが。


■ステューシーの葛藤
CP-0として潜入する内、ルッチやカクに対して友達の様な情が湧いていたらしいステューシー。
まあクローンなので、その感情すらプログラムされたものと言ってしまえばそれまで何だが、一応これを「紛い物に人間の感情が芽生えた」と考えるとして。
そもそもステューシーって、潜入先の仕事もまた、潜入任務が主なんですよね。

まあCP9と違って天竜人の護衛にも重きを置いている役職ではあると思うが、少なくとも「歓楽街の女王」としてリンリンのもとに潜り込んだりはしていたし、いきなり飛び級でCP-0に入れるとも思えないのでしばらくは他のCPの様な諜報活動もやってはいた筈。
要は20年以上の潜伏中、裏切りなんて日常茶飯事の人生だった。
その上で、たった2年弱の同僚であるルッチやカクに特別な情を抱いているという事は、それだけ彼らと過ごした日々が特別だったんだろうか。

まあこの人、元になったバッキンガム自体がロックス海賊団の人間で、あそこは身内同士のギスギスが半端ない集団だったらしいから、仲間らしい仲間を持った事がない人生ではあったのかも。
MADSでも居候扱いの「自称科学者」で、アレで結構肩身の狭い思いをしていたのかもしれないし、初めて出来た同じ立場の仲間がルッチ達だったのかもしれない。

にしてもルッチやカクみたいな戦闘狂いを「友達」と思えるのも凄いが、この人も穏やかに見えて元ロックスである以上、流れてる血は似た様なもんだろうし、意外とウマが合う所もあったんだろう。

ルッチ達がCP-0に上がって来てからの1~2年の間、彼らと共同で任務にあたる事も多かったんだろうか。その辺、本編では詳しく描かれる事はないと思うので、スピンオフ小説の「HEROINES」辺りで見てみたいなぁ。


■ゾロ VS ナス寿郎
ピーター先輩が元気に諜報部員たちを吸い込んでる間に、ナス寿郎とゾロが遂に衝突。
25巻の初登場時から「これ初代鬼徹なんじゃない?」と噂されていたナス寿郎の刀が、鬼徹一派のものである事がとうとう判明した。

(ONEPIECE 25巻 第233話)

……のはいいんだけど、その大事な今回の話に限って、ナス寿郎の刀のデザインがずっと間違ってる。
刀の鍔の部分、どっか行っちゃったよ。おまけに柄の部分も、三代鬼徹に近い網目模様だったのに、木刀みたいな持ち手になってる。

イッショウの刀がほとんどこんな感じのデザインだったので、それと取り違えちゃったんだろうか。
(ONEPIECE 76巻 第757話)

まあ、ページワンみたいに諸般の都合でサイレントにデザイン変更された例もあるので、意図的な変更の可能性もなくはないけど。
少なくとも今回のデザインだったら、鬼徹なんじゃないかと噂されてはいなかった気がする。単行本で修正されるかな。

まあミスについては置いておくとしても、今回の初代鬼徹らしき刀はあまりにもデカすぎる。
ダンクマール・シュナイダーぐらいデカい。人間姿のナス寿郎が持ってた刀、こんなサイズじゃなかったもん。
身長が倍ぐらいあるおでんの閻魔が何故かゾロにもフィットするサイズだったり、ONEPIECE世界の刀って持ち手に合わせてサイズ変わる性質あるよね絶対。

そしてナス寿郎に対して繰り出したゾロの技、〝二刀流 極楽安養 羅生門〟。
パッと見〝羅生門〟の強化版っぽい技名だが、居合斬りでもないし、両腰に差した刀を真っすぐ引き抜いて斬っていたあちらに比べて十字斬になっているしで、もはや下から上に斬り上げる攻撃という以外まったくの別物。あまりの魔改造具合に、たぶん羅生門が一番ビックリしてる。

激突のシーン自体は待ち望んだ対戦カードだし、初代鬼徹(らしき)刀の正体もようやく分かったしで熱い展開なのだが、何故だか妙に突っ込みどころの多いワンシーンだった。まあそれも一興。


■巨人軍 VS 中将軍
「お前ら一人一人正義かかげてんだろ!?
   モブってんじゃねェよ主役共!!!」

ブルーグラス中将のちょっとしたセリフだが、なんだか妙に好きだった。
ONE PIECEのキャラは出番の少ない端役でも妙に濃かったり、設定がしっかり作られていたりで、誰を切り取っても主役として物語が作れそうなのが特徴のひとつだと思う。

そんな中、確かに作中を通して、ハッキリ言って中将達の活躍は芳しくなかった。
パンクハザードで出負け海兵と化していたスモーカーを筆頭に、頂上戦争でやられ役と化していた巨人中将達、ドレスローザで中将の株を大きく下げたバスティーユとメイナード、そしてフランキーやボニーに翻弄された今回の招集メンバーなど、ロクな戦果を挙げて来ていない。2年前のルフィを圧倒していたモモンガ達はまだいい方という有様だった。

彼らも、本来はそれなりに強い筈なんだ。ただ、この海の強者達が異常すぎるだけで。
海軍中将が何人ぐらいいるかは分からないが、名前が分かっているだけでも20人前後はいると思うので、少なく見ても30人ぐらいはいるだろう。そんな人数がいる彼らが新世界の猛者達と渡り合えるぐらい強かったら、最初から七武海なんかに頼ってない。
もはや七武海級のバケモノがワラワラと登場している新世界において、中将達が物足りなく感じてしまうのも当然と言える。

しかし彼らだって、伊達に海軍として正義を背負っているわけではない。
そしてベテラン中将の鼓舞に応える様に、巨人族の一人であるカーシーを圧倒するドール中将異常にカッコいい。
パンク系のファッションに見合った〝音魂の爆発(ロックンロールブラスター)〟なる技を使い、拳一つで巨大な相手に立ち向かう姿は、確かにブルーグラスが言う様に主人公の風格があった。
バウンティラッシュとかでキャラクター化しないだろうか。最近あんまやってないけど、この人出てきたら復帰するかも。


■各地の反応
〇アラバスタ王国
死んだとされているコブラ王の葬儀の真っ最中に、配信が始まっちゃったみたい。タイミングが悪い。
チャカ達の前には棺も用意されているし、遺体は普通に回収できたんだろうか。
まあ、ああしてサボが殺ったとしか思えない写真が出回った以上、下手に遺体を隠してしまうのも不自然って事で返却されたのかな。

遺体が本当に埋葬されたのだとしたら、コブラ王の死は決定的という事に。色んな意味で〝アレ〟な国王が多いONEPIECE世界において、珍しく人間的にも優れた賢王だったから、正直、割と寂しい。
まあ、この葬儀自体が、政府や世間からコブラを匿う為のフェイクで、実はギリギリで生き延びていたとかも無くはないけど。
ビビが心配すぎてやつれちゃってるイガラムとは対照的に、チャカやペルは敬愛する王の亡骸を前にしても結構平然としてるんだよな……ベガパンクの配信に耳を傾けてるけど、それどころじゃない感情でもおかしくなさそうなのに。その辺の冷静さは、流石王国一、二を争う兵士達って感じなのかな。


〇コーミル中将
ベガパンクがぶちまける話に対し、「アレが古代兵器だったのか」と驚きの様子。
「アレ」と言うのはルルシアを消滅させた怪現象を指していると思われるが、この人もルルシアには割と縁があるんですよね。ニガいコーヒーしかなかったG-2支部に、モーダがミルクを売り込んでくれたおかげで美味しく飲める様になったという。

あの扉絵連載の頃はモーダの国がこんな悲惨な事になるとは思ってなかったし、コーミルもいい取引先がなくなっちゃって内心残念に思ってたりするんだろうか。
しかしどうでもいいけどこの人、「ゆとりある正義」を掲げてる割に、最近あんまりゆとりある表情を見てない気がする。まあ世界情勢にゆとりがないから仕方ないけど。


〇センゴク&サカズキ
やはり世界沈没に関して何か知っている様で、かたやせんべいをヤケ食い、かたやブチギレて溶岩モードになってる。サカズキさん、並の精神だったらとっくに胃に穴が空いてそう。
以前にクザンも「……」と何か思う所がありそうな反応をしていたけど、大将以上になると世界についてある程度の情報を与えられるのかしら。
でも今も政府に身を置いているセンゴクやサカズキは勿論、クザンも別に世界政府の方針に反発して脱退したわけではなく、サカズキが元帥にならなければ軍を離れるつもりはなかった筈。
この3人が世界沈没の危機を知った上で政府に属していたなら、それには何かしらの大義があったんだと思うけど、まったく持って検討がつかないなぁ。

ところで、センゴクさんはつるの軍艦に乗ってどこかへ移動中みたいだけど、もしかしてガープを救出しにハチノスに向かっているんだろうか。
正直この2人の強さはまだ未知数なところがあるし、言っても老兵なので今の黒ひげ海賊団に勝てるかは怪しいが……何らかの交渉材料でも持って行ってるんだろうか。
まあセンゴクさん、頂上戦争では黒ひげ海賊団をまとめて衝撃波でブッ飛ばした実績があるけど、向こうもあの時のレベルじゃないだろうしなぁ。


〇海賊島
ガープ達の襲撃でボロボロになったばかりのハチノスだけれど、海賊達はもう元気に財宝に目がくらんでいた。そのバイタリティ、見習いたい。

そんな事は置いといて、1P目なのでチョイ見せの段階で話題になっていたが、コマの左奥になんかいる。妙ちきりんな盾を着込んで「うおおお」みたいなポーズ取ってる変な奴が。
霜降り明星・粗品さんイチオシの鉄壁のパールさん、まさかの再登場でした。
ちっさいコマなのに、異常なまでに分かりやすい。お前2年経ってもまだそのファッションしてたのか。ギンに粉々に砕かれたのに、新調したのかしら。どこかで気づくタイミングもあったろうに。この装備、動きづらいだけであんま意味ないなって。

で、正直パールが写ってるコマじゃなかったら絶対気づかなかったけど、同コマの右端にいるのはクリークとギンのコンビっぽい。
ウーツ鋼の鎧や大戦槍の肩当てがあるクリークは分かりやすいけど、ギンはちょい微妙かな……髪型も全然違うし。なんかサーベル持ってるし。お前あのわけわかんない棒付き鉄球はどうした。まったく変わらないパールさんとは裏腹に、ギンは気づいちゃったのかな。この武器めっちゃ使いづらいなって。
まあなんか雰囲気は変わってるけど、このジャージみたいな服装はギンっぽいよなぁ……クリークの横を意味深に歩いてる奴が実は全然違う別人でした、ってなっても意味わかんないですしね。

ギンが生きてたのは正直ビックリだけど、まあクリーク達だって2年前は麦わらの一味とさほど変わらない実力だった(何なら兵力としては圧倒的に上だった)のだから、敗北を糧にのし上がってくれば新世界まで辿り着いた事にそう驚きはないかな。
元々偉大なる航路に突入そうそうミホークに出くわすとか言う悲劇的な運の悪さに見舞われなければ、アラバスタ突破ぐらいまで行けそうな実力はあったと思うし。

海賊島にいるって事は今は黒ひげ海賊団の傘下になってるのかもしれないけど、まあクリークにとってルフィやミホークは仇敵だし、今や四皇の一味になった両者へのリベンジを狙うなら、他の四皇と協力するのは理にかなってるかな。
クリークの事だから、利用するだけ利用して期を見て裏切るとか平気でしそうだけど。

ところで、これ余談なんですけど、ゲームボーイソフト「夢のルフィ海賊団誕生」では敵キャラを仲間にできるシステムがあり、既に仲間にしたキャラが敵として登場するシナリオを遊ぶと、その敵が代替キャラに置き換わる。
クリーク海賊団にも当然その代替キャラがいて、それがこちらの3人。


まあ配色とディティールをイジっただけの偽物なんだが、何となく今回のギンに関しては……2年前の本物よりもこっちのブッツの方が見た目近い……ような……。

実は海賊島まで到達してたのはこっちの偽物軍団だったらどうしよう。


〇ドレーク&スモーカー
どちらも主要キャラでありながら、久々の登場。
特にスモやんは扉絵を除けばドレスローザ以来だから……約30巻ぶりの登場。
マジで……初登場時はルフィを初めて負かした人物で、海軍にもこんな強くて正義を背負う人物がいるんだぞって扱いだったのに……今や存在感で完全にSWORDに溝を開けられてるよ。

とはいえ腐っても中将で、自然系だし、最近大ブレイクを果たしたコビーはともかく、ヘルメッポやグルスよりは大分強い……と思う。
パンクハザードでの不甲斐ない結果から数カ月ぐらい経ってるだろうし、治療と同時に能力を鍛え直してるかもしれないし。スモやんの今後の活躍にこうご期待。

問題はドレークの方で、生きてたのは良かったものの、今後の海軍での立場が一番危うい人かもしれない。
シャボンディでボルサリーノにボコボコにされてた辺り、政府関係者でもほとんどの人には脱兵して海賊になったと思われてるだろうし、超新星かつ四皇幹部ともなればネームバリューも相当の筈。
今更つつがなく軍に戻るのも難しいだろうし、SWORDの性質上、政府は不利益になればいつでもドレークの首を切れる立場。
その上ドレークは潜入捜査中に正体がバレるという失態を犯し、「ニカ」を擁する麦わらの一味の勝利に協力し、かつCP-0に反逆するという三重のやらかしもしている。この辺りの情報がどこまで政府の耳に入ってるか分からないが、普通に考えて処断されても……文句は言えない気が……。

まあ、ぶっちゃけキャラクター的には鬼ヶ島で死んでてもおかしくなかったし、生きて戻ったからにはまだ役割があるんだろう。
最近あんまりいい所がなかった海兵コンビの今後にこうご期待。
あとスモやん先輩、カナヅチの癖に両手離し爆走海上バイクは危なっかしすぎるのでやめていただいて。


〇レイリー
「喋りすぎだベガパンク――じじいがペラペラと…」

私も同感です。
情報出し惜しみしなさすぎよ、もうちょいゆっくり行こう。心がついていかないから。
途中から完全に五老星とヨーク応援してたもんね。いい感じのタイミングで配信切れって。

まあ結局のところ、ベガパンクもあくまで一部の歴史の本文を読んで解読した内容を話しているだけで、ロジャー海賊団ほど世界の全貌を知ったわけではない筈。
だから最後に言いかけた「Dの一族」についての言及以外、言える事はほぼ言い切ったんじゃないかと思う。本当に歴史の全てを知りたいなら、ラフテルに行くしかないって事ね。
この辺りは、今後の展開への期待感を煽りつつも、やっぱり海賊王になった一団だけが世界の全てを知れるっていういい塩梅だったんじゃないかと。……なんかこう書くと映画の予告映像みたいなやり口だけど。